雨宿り

何かにちなんだりちなまなかったり。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

神経病者と物語志向性2

人間を形成するものは物語である。 物語とは一回性を持った出来事である。 人は当たり前の出来事は意識しない。水を飲むとか自転車を漕ぐとか日常的な動作をいちいち意識していたらキリがない。 翻って、意外な出来事は意識に上る。人はそれが自分の思いと裏…

神経病者と物語志向性1

人と異なる考えを持ち、確固とした意思を持って信念を貫く人を、中国のある運動家に倣って神経病と呼ぶことにする。 ここでは名の通った文学者、哲学者は軒並み神経病である。 神経病への対抗としてあらわれるものが文学あるいは哲学である。 解消しえない錯…

読書人より。

良い読書は自己の内面の要求による読書である。 しかし内面の要求に適した本がどれであるかを知るにはある程度の読書体験が必要である。 それゆえその要求に従って多くの本を読めばよい。 その際、その読書に少なからぬ苦痛を感じたらその時はやめることも一…

欲しくて諦めた本シリーズ

今日久しぶりに本を買った。つねに机の上に図書館の本が載っているので、汚れのない、自分の本というのは新鮮な感じがした。この本は誰にも返さなくてもいいし、汚しても怒られることはない。絶対汚したくないけど。 しかし犠牲無くして得られる勝利なし、一…

レジで財布を置いただけ

よく行くスーパーで適当なおかずと飲み物などを買い、レジに並ぶ。 何度も来ているのでレジ打ちの人も見慣れている。 いつも通り会計を済ませ、カバンに買ったものを詰めていると、レジ打ちの人が歩いて来て 「お客様財布お忘れです」 ああ、すいませんと受…

いつも昼飯ほぼ0円だからたまには800円くらいいいよね

『よつばと!』を読んでたら焼肉が食べたくなって、お昼にふと、焼肉に行った。 いわゆる「一人焼肉」というやつだ。 「焼肉を食べる」という考えは、それだけで僕に非日常をもたらした。昼飯に梅おにぎりしか食べない僕が、焼肉。なんか4段くらい段階を飛ば…

肉屋とパン屋で救われた話

以前肉屋に行ったとき、定価より低い代金を請求され、一応確認したら「ええわ、負けといたる」と言われたことがある。 そして今日、パン屋に行ったら、「もう店閉めるから好きなの一個持ってって」と言われた。 店を出て徐々に、ある感情が湧いてきた。 救わ…

僕のナイーブな話

僕は、幸福になりたかった でも、幸福が分からなかった だから、どうすればいいのかわからなかった 僕が楽しい時、みんなも楽しそうだった 僕がつまらないとき、みんなもつまらなさそうだった 幸福は伝染する、そう思った 僕が幸福になるためには、みんなが…

無題

星野太さんの書評を見て思い出したのだが、私はジャン=リュック・ナンシーの魔力にやられて、『アドラシオン』を和訳、英訳それぞれ買ったのだった。 "After Fukushima"を苦心しながら読んで、それで満足してしまっていたのだった。 特に意図せずして買った…