雨宿り

何かにちなんだりちなまなかったり。

欲しくて諦めた本シリーズ

 今日久しぶりに本を買った。つねに机の上に図書館の本が載っているので、汚れのない、自分の本というのは新鮮な感じがした。この本は誰にも返さなくてもいいし、汚しても怒られることはない。絶対汚したくないけど。

 しかし犠牲無くして得られる勝利なし、一冊の本を諦めたのだった。『フランシス・ベイコン・インタビュー』という本だ。

 私がベーコンのことを初めて知ったのは、テレビと本屋である。「怖い絵」特集みたいな番組の企画でインノケンティウス10世の肖像の習作が取り上げられた。しかしそこでは名前は覚えていなかった。のちに本屋に行ったときに『僕はベーコン』という本でベーコンのことを知った。

 最初はたぶん哲学者の方を思い浮かべたと思う。それで画家のベーコンと哲学者のベーコンが別人であることを確かめようとページをめくると、芋虫のような生物を描いた絵画が載っているページで手が止まった。そのとき受けた印象は言葉にしづらい。シャガールの画を見たときにも同じような感じを受けたと思う。

 それからベーコンの画に触れる機会はなかったが、あの感覚は忘れがたいものがある。そんなところでふとこの本が目につき、心躍ったわけだが、結局は諦めてしまった。いつか買う日が来るだろうか。

 ちなみに諦めた理由は、すでに2冊本を手にしていたからです。