メモ
私はこれまで人間について考えてきた。
人間とは何か、どうあるべきか、ということが私の課題の一つである。
まず『孫子』を読み、人間について、かくも普遍的で、鮮やかな記述ができるものかと膝を打った。
それからしばらくは中国古典と西洋哲学を少々嗜んだが、近ごろ違う道が見え始めた。
一つは文学である。文学は人間特有の営みであり、論理への反抗であり、人間の表象である。文学は哲学よりずっと人間の本質をつかんでいるのではないかと思う。
もう一つは経営学である。マネジメントというのは人を管理し運営するための技術であるからそれだけアクチュアルに人を観察することができる。ただこちらの場合、科学的手法に頼らざるを得ない。